1つは細胞が持つ食作用(エンドソーム)されて細胞内に取り込まれる感染(侵入)です。 もう一つは最近注目されている膜融合による細胞感染(侵入)です。
私のTwitter記事がオリジナル
ACE2との結合
コロナウイルスは身体に広く分布するACE2と結合するところから感染が始まります。 このACE2と結合しその機能を無くす所がコロナウイルスのやっかいな所です。ACE2との結合は今までのインフルエンザに無かった点です。 そこがコロナウイルスが非常に危険である理由です。
ACE2はアンギオテンシン変換酵素2と言って広く身体の細胞の表面に分布している酵素です。また受容体でもあります。
ACE2は身体の血流に関わる重要な機能を持っています。血管拡張、酸化抑制、血管再生です。機能が失われると虚血に成ります、血流低下です。それで少し悪化するといろいろな危機的症状が発生します。
詳しくは「8回 コロナワクチン接種後の死因の疑い1位が心臓の理由」を読んで下さい。
第1の感染経路
従来から言われている感染経路です。 下図の左側に示されている感染経路です。 コロナウイルスのスパイクタンパク質とACE2が結合します。
その後は、身体の細胞の食作用(エンドソーム)によりコロナウイルスとACE2は結合しているので一緒に細胞内に取り込まれます。 細胞内では両者はある酵素によって切り離されます。
細胞の表面にあったACE2は細胞に取り込まれるので無くなってしまいます。 ACE2が細胞の表面から無くなることをダウンレギュレーションと言います。 ACE2が無くなるので、虚血が生まれます。 症状の出始めです。
Fig.1 コロナウィルスのACE2を介した2つの感染経路 |
第2の感染経路
最近騒がれている第2の感染経路(侵入経路)は、ACE2との結合までは同じです。 上図の右側です。 ACE2との結合の次に細胞の表面にあるTMPRSS2酵素がスパイクの根本(茎の部分)で切断し体の細胞膜との接触面積を増やします。
コロナウイルスのスパイクとACE2の結合は身体の細胞膜に対して浮いたようになって密着とが悪い状態です。 Fig1でも浮いている様子が分かります。
TMPRSS2酵素がスパイクのACE2を介して繋がっている根本を切ることで、コロナウィルスがACE2から外れて落ちます。 そして身体の細胞膜の面に落ちてしっかり密着できるようになります。
この「コロナウィルスが落ちる、そして細胞膜に対して密着する」この部分だけは私の私見です。 文献ではその部分に対する明確な解釈はありませんでした。
するとコロナウイルスと身体の細胞膜はどちらも同じ脂質2重層なので、コロナウイルスは細胞の膜を通り抜けて細胞内に入ります。 これが膜融合と言います。
膜融合と聞くと難しく感じます。 それで例えで分かり易く説明します。 「油できた池にボールを浮かべます。ただボールは同じ油で出来ているので、やがてボールが静かに池の中に沈み込みます」。 身体の細胞が池で、ボールがコロナウイルスになります。
実験レベルでは、エンドソーム経路よりも100〜1,000倍高い効率の感染を示したと言われています。*1)下記にその引用を示します。 プロテアーゼに相当するのがTMPRSS2になります。
プロテアーゼを介した侵入は、プロテアーゼの非存在下で使用されるエンドソーム経路よりも100〜1,000倍高い効率の感染を促進しました。これらの結果は、炎症細胞によって肺で産生されるプロテアーゼがSARS-CoVの高増殖の原因であり、それが重度の肺組織損傷をもたらすことを示唆している。同様に、炎症中に肺で産生される主要なプロテアーゼであるエラスターゼも、培養細胞のSARS-CoV感染を増強しました。
肺に多いTMPRSS2
参考資料
1)プロテアーゼを介した重症急性呼吸器症候群コロナウイルス感染の増強
松山修徳、* 宇治池誠、 森川茂、 田代正人、 田口文弘
PMID:16116101
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC1194915/
2)Advances in research on ACE2 as a receptor for 2019-nCoV
Epub 2020 Aug 11.
Jie Wu , Wei Deng , Shumin Li , Xiuhong Yang
PMID: 32780149 PMCID: PMC7417784
0 件のコメント:
コメントを投稿