背景
インドのデルタ変種の感染者数と死者数が劇的に減っています。ペルーのラムダ変種の感染者数と死者数も劇的に減っています。 インドもペルーもワクチンの接種率がそれほど高い訳ではありません。 ワクチン以外に感染者数が減る何かがあると考えられます。ワクチンの効果を否定する訳でありません。ワクチンに何かを追加することで感染者数と死者数を減らす検討です。
前回のブルグの記事
今回の記事に直接関係する私のブルグ記事があります。 今回の検討に至った背景がよりよく理解できます。 是非読んで下さい。
ペルー政府のイベルメクチンに関わる重大な決定
ペルー政府はイベルメクチンに関する重大な決定を2回行いました。
1回目は、2020年5月8日に保健省がイベルメクチンの使用を承認しました。
2回目は、2021年3月26日にウガルテ保健大臣がイベルメクチンの使用を禁止しました。
一回目の決定によりペルーでイベルメクチンが広く使われ始めました。 それが分かる記事があります。*1) その記事から抜粋します。
2020年5月8日、保健省はCOVID-19感染の軽度、中等度、重度の症例でのイベルメクチンの使用を承認しました。承認はオーストラリアからのinvitro研究に基づいていましたが、人間への実際の影響の証拠はありませんでした。
「1,200人の投獄された受刑者と優れた結果をもたらした第一線の対応者」の治療に関する新聞報道は、イベルメクチンの使用を広めました。薬は非常に需要があったので、人々は獣医用バージョンを購入し始めました。証拠がないにもかかわらず、騒動は世界の他の地域にも広がった。イベルメクチンは真面目な医師によって推奨されていませんが、フリンジプロバイダーによって促進され続けています。
ペルーの感染者数のチャートを使って解析
ペルー政府のイベルメクチンに関する重大決定点をチャートにはめ込みます。
ペルー政府がコロナウィスルに格闘し苦悩する姿が手に取るように分かります。
イベルメクチンを承認時期
チャートを見ると分かりますが、2020年の3月よりコロナウィスルの感染拡大が始まります。
当時はまだワクチンも無く、具体的な一切の治療法が分かっていない頃です。 ペルー政府は何とかして国民を守ろうとコロナウィスルの感染拡大の場面でイベルメクチンを承認しました。
それからペルーではイベルメクチンが広く使われ始めました。
イベルメクチンの効果を半信半疑で見守る時期
2020年の5月にイベルメクチンを承認して感染者数の最初の1波のピークのが来ます。 承認から時も経っていないので、1波のピークが来ることは織り込み済です。 ピーク1から暫くすると感染者数が減り始めました。
明確なエビデンスが無い中での選択的な重大決断であったので、よかったよかった決定は間違いが無かったと胸を撫で落します。
2020年の8月に1波よりも大きな2波のピークが来ます。 ここでイベルメクチンの効果に対する疑惑を生まれます。 しかしその後暫くして感染者数が下がり始めます。そして感染者数は小康状態を維持します。
絶対的な効果は感じられませんが、小康状態なので疑惑はありつつ、よしとして見守ります。
イベルメクチンの効果に疑惑が高まる時期
Fig.1の3波の部分です。 感染者数の小康状態から感染拡大が再度始まります。
イベルメクチンに対する疑惑が更に高まります。ピーク3を過ぎて一時的の感染者数は減ります。
イベルメクチンの使用を禁止する
4波が始まり、過去のピークの感染者数を正に超えたその日、2021年3月26日に我慢の限界です。 イベルメクチンの効果に対する疑惑が確信に変わった、イベルメクチンは効かない。
それまでにWHOからイベルメクチンは効かないという情報は入っていたこともあり、もしかして効くかもと言う思いは、ここで完全になくなりました。
イベルメクチンの使用を禁止します。
ラムダ株のトレンドが変わって激減が始まる
人間心理が織りなす株式の世界と同じように、我慢に我慢を重ねて限界が来て諦めたその瞬間からトレンドが変わることが多いです。 それと同じことがペルーのコロナウィルスの感染者数と死者数のトレンドに起こりました。
保健大臣がイベルメクチンを禁止してから2週間に(2021/4/15)をピークをつけて感染者は激減し始めました。激減し始めた理由はイベルメクチン以外の理由であると思います。
ワクチン接種が進んでいるので、今も感染者数は減り続けています。
ペルーの死者数のチャートを使って解析
死者数のチャートも載せておきます。 感染者数と同じ形です。 同じ傾向が読み取れます。
結論
希望
イベルメクチンの効果の有無だけを調べるつもりでしたが、チャートを分析する中で人間心理が感染者数と死者数の関係をするのではと思うようなりました。
V.E.フランクルの「夜と霧」を思いだしました、収容所では比較的健康であっても希望を失しなった人が次々と亡くなり、希望を持ち続けた人が生き延びました。
シベリア抑留の日本人でも、亡くなった方と生存の方で、同じようなことが起こっていました。
確かにワクチンの接種率は低いですが、感染者数の激変のトレンドを作ったのは、米国によるワクチンの無償提供が始まって希望が生まれた側面もあります。
このような局面で見せる米国の太っ腹には何時も尊敬し感心します。
イベルメクチンの効果
1年半のチャートの感染者数の推移をみて、政府の大きな決定を基にイベルメクチンの利用状況を推測すると、私にはイベルメクチンの明らかな効果は認めることはできません。
残念ながらイベルメクチンにコロナウィルスに対して明らかな効果はありません。
チャートの後半部分では、ペルーの政府と国民はイベルメクチンに効果を感じられず、それは色あせた希望になっていました。
亜鉛
ネットで調べた限りでは、ペルーで亜鉛が広く世間で使われてた情報はありませんでした。
亜鉛鉱山の情報だけでした。
唯一のコロナウィルスに関連する亜鉛の情報は
ペルー医科大学の副学部長、CiroMaguiñaは、イベルメクチンの使用が、エドガルド・レバリアーティ病院に入院したコロナウイルス(COVID-19)に対する治療において彼の健康にプラスの影響を及ぼしたことを強調しました。
この情報以外にペルーで広く亜鉛が使われてた事実を示す情報はありません、正しくは見つけることができませんでした。
まとめ
ペルーではイベルメクチンが1年近く広く使われましたが、コロナウイルスの感染者数と死者数を減らすような明確な効果は認められまでした。
亜鉛はペルーではほとんど使われなかったようです。
推測ですがイベルメクチンの単独使用では効果がなく、亜鉛との併用では効果があると思われます。
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2 件のコメント:
こちらのサイトの方がより細かく検証しており、結論は真逆となっていますが
どう思われますか
https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12680342935.html
コメントありがとうございます。
私の考え方を説明致します。
私の分析は集団の母数が3千300万人からの実際の日々の新規感染者数のチャートと、同じ母数から得られた死者数のチャートを使いました。 データの出典はWorldometerです。 Worldometerはオープンで信頼性の高いデータと考えています。
何が言いたいかというと試験管の中のデータや、患者数が1000人やサンプル数が10万人や20万人程度の母数からの推定のデータではありません。 3千300万人の生死を示す現実の姿がそこにあります。
それらのチャートにはイベルメクチンの効果を示す結果が現れていると考えています。
またペルーは国の正式な政策として、イベルメクチンの使用を許可しています。
イベルメクチンがペルー国内で広範囲に使われたと仮定しています。
それを前提に私の結論の根拠は
1.インドのチャートではピークから収束する形が急激に下がっています。
何か効果のある対策をした可能性を感じます。
2.ペルーのチャートではピークからの収束が遅い。ピークからダラダラ下がっています。 対策の効果を感じまません。 インドと比較するとはっきり違いが分かります。
3.ペルーの死亡者数は人口の0.58%です。 世界1位です。
対してインドの死亡者数は人口の0.03%です。
イベルメクチンが単独で本当に効くなら死者数はもっと少ないなずです。
ペルーの人口に対する死亡者数の比率を見る限り、効果のある対策はされていません。
ちなみに米国の死亡者数は人口の0.2%です。
以上で私はイベルメクチンの単独使用では効果がないと判断しました。
補足1:私が読んだイベルメクチンに関する複数の論文では、イベルメクチンの高い効果を示すものでした。 しかし単独使用はなく、亜鉛、ビタミンD、アスピリンなどとの併用でした。 それでペルーの結果を加味すると、イベルメクチンは何か別の作用を高めることでコロナの細胞内の増殖を抑制しているのではと考えています。 その一つが亜鉛です。
以上、参考になれば幸いです。
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