トラウマ、PTSDに苦しむ当事者と支援する治療家の向けての記事です。
脳内のトラウマの記憶の存在意義を従来にない解釈をしました。 そしてトラウマを理解する新しい理論ができました。 その理論を使いトラウマの記憶を消す為の新しい治療法もできました。
目次 (連載記事のページ)
PTSD、トラウマの記憶を消すシリーズのページ
トラウマのER理論の全体像が分かる記事です。本記事
トラウマの記憶は脳のどこにあるか、最新の脳画像で説明しています。
トラウマのER理論の前提となる科学情報です。
具体的にトラウマの記憶を消す為のセルフケアの運動法です。
理論と治療法の名前
トラウマを解釈する新しい理論には名前があります。「トラウマのER理論」と言います。
ERの意味はエネルギー(Enegy)の解放(Release)です。
その「トラウマのER理論」を基に作られた治療法が「Tパンチキック療法」と言います。Tの意味はトラウマやタバタや、作者の冨嶋の略です。
トラウマのER理論の概要
厳密さよりも分かり易さを優先してシンプルに説明すると
トラウマの記憶が危機の予測活動に使われる。
その予測活動が正常に完結すると
トラウマの記憶は消える。 PTSDが治る。
正常に完結でトラウマが消えるとは
危機予測が生まれると身体行動のエネルギーが作られる。
そのエネルギーを開放して、エネルギーを消費すると正常に完結する。
すると危機は安全であったと認識されて、それが脳にフィードバックされる。
トラウマの情報は、もはや危機の情報ではなく、危機予測の重要情報でもない。
限られた脳のスペースを有効利用する為に、
脳は不用になったトラウマの情報を破棄する。消し去る。
1回で全てが消える事はありませえんが、
予測活動を正常に完結する事を反復することで
脳に今あるトラウマは危機でなく、重要情報でないと
学習させることができる。
更に具体的に言うと
トラウマの記憶が作る危機の予測は筋肉にエネルギーを溜める。
その筋肉のエネルギーを短時間で一機に解放する運動をすれば、
トラウマの記憶は消える。
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Rebecca Scholz氏によるPixabayからの画像 |
理論と治療法は私見でまだ仮説の段階
理論と治療法は私見です。 まだ仮説の段階です。今は治療法の効果の検証中です。
私は何年にも渡り人の体表に現れているメンタル症状を臨床で観察しました。
それぞれが独立してバラバラに見える観察結果ですが、
その観察結果を脳科学と生理学の基本原則を使い、いったい何か起こっているのか自分なりに解釈しました。
それらの繋がりについて広く考えを巡らせて、辿りついたのが今回の新しいトラウマを解釈する理論です。「トラウマのER理論」です。
最初に理論ができて、その理論を具体化する中で治療法ができました。
科学に基づく理論なので再現性があります。と言いたいですが、残念ながらまだ検証が終わっていないので、再現性があるはずです。
また普遍的な科学による知識なので誰でも広くお使いただけます。
治療法と効果の結果について
Tパンチキック運動療法
「トラウマのER理論」を元にすれば色々な治療法が考えつきます。理論には治療法の数の制限や手法に制限はありません。 それでいろいろな治療法を作ることができます。
その治療法の一つとして私が作ったのが「Tパンチキック療法」です。
2021年の12月頃に出来上がりました。 直ぐに数人の患者さんに説明し実施をお願いしました。
これまでに本当にトラウマの記憶と消すために、いろいろな治療法を考えて実施しました。 ハリ施術でもいろいろと試してみましたが、脳内のトラウマの記憶を消すという点では上手く行きませんでした。
ハリ施術はトラウマの記憶が作りだす筋肉症状は取れます。 またトラウマのフラッシュバックによる筋肉症状の蓄積の解消にも大変に効果的です。その点ではハリ施術はPTSDの症状の改善に有効な施術と言えます。 それでPTSDの治療法としては、一般的な精神医学の治療よりも優れていると考えています。
しかしPTSDの根本原因のトラウマの記憶を消し去るという点では、有効なハリ施術を見つけられていません。もっともメンタルクリニックで行う治療も気休め程度なんので、根本治療の面では同じともいえます。
それで私の臨床で得た知見を基に理論を構築して今回の療法に辿りつきました。
根本原因であるトラウマの記憶を消すことが出来て、PTSDを治すには、今の段階ではこの療法が最適ではと考えております。
その治療法はセルフケアで出来る内容です。それでキララ鍼灸院の患者さんにセルフケアで行って頂いております。 効果があるかどうか結果を待っています。
良い結果
「トラウマのER理論」と「Tパンチキック療法」の両方の全てが新しく、前例がありません。 それで私は祈るような気持ちで結果を待っております。
すると一人の患者さんから良い結果を得ました。どうやら軽度のトラウマの記憶が消えたようです。フラッシュバックが起きていないようです。
期間は1月程です。その期間内ではトラウマのフラッシュバックが作る恐怖、不安がなかった。孤立化が強制されるコロナ化にも関わらず、元気に過ごせたと言っていました。
今まではハリ施術で首のコリを大きく8割、9割取り除いても、1月後の次回の来院時にはトラウマ記憶によるフラッシュバックで筋肉が硬化し、またコリがぶり返していました。それが首の筋肉の柔軟性を保っています。
「Tパンチキック療法」は筋肉に直接作用する運動の効果もあります。それでコリがぶり返していないのは、その運動による効果による部分もあるかもしれませんが、
フラッシュバックもなく、恐怖と不安が消えたままなので、運動効果以上の効果が、即ち右脳視覚野にあったトラウマの記憶が消えた可能性が高いと考えています。
フィードバックのお願い
まだ症例が十分ではありません。 キララ鍼灸院ではうつ病の患者さんは多いのですが、トラウマやPTSDとなると患者数が限られてしまうので、効果の検証がなかなか進みません。
また患者さんのこんなことでトラウマが消えるはずがないと考えて、Tパンチキック療法をしません。
それで広く治療法と理論を公開して治療の効果を見たいと考えました。 それが今回のブログ記事に繋がっています。
ぜひ実際に「Tパンチキック療法」を行ってその結果を私に教えて下さい。
または「トラウマのER理論」を使って、もっと効果が期待できる療法を作って下さい。
トラウマを理解する上で参考となる私の過去記事
★第3回 右脳のトラウマの記憶https://kiraracare.com/ptsd3.shtml
★第4回 PTSDに在るということは
https://kiraracare.com/ptsd4.shtml
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