21回 最新論文を読み解いてオミクロンをシンプルに説明
( コロナウィルス関連記事 )

2022年1月25日

オミクロン コロナウィルス コロナ感染予防

t f B! P L
最新の海外論文を読み解いて、オミクロンをシンプルに説明します。

シンプルに言うとオミクロンは従来のコロナよりも狂暴になっています。
オミクロンに対する従来ワクチンの中和力値は85%減です。
重症化予防率は7.5%しか有効でない。

重症化の増加が予想されますが、なぜかそれほどでもない
重症化が少ない明確な理由は不明。

オミクロンの研究で解ったこと *1)、2)

1. オミクロンでは従来株比べてACE2との結合が強くなった

2.ACE2との結合が強くなったので感染力が高まった。

3.感染するとACE2の喪失率が高まり血流低下が増えて重症化が予想される。
    しかし重症化はそうでもない。

4. ACE2との結合がないと感染しない
  必ずACE2が必要です。

5.従来のコロナワクチンが作る中和抗体ではオミクロンを十分に中和できない。
中和力値が従来の85%減になっている。 激減して効き目はほとんどない。

6.従来のコロナワクチンの重症化予防率は
 オミクロンではたった7.5%、
 デルタは90%以上

7.オミクロンのスパイクタンパクには30を超える変異があります。激変だと言われている。特に感染で重要なスパイクの先端部分のRBDには15の変異がある。

このスパイクの形状が変わったことにより十分に中和できなくなった。

8.肺への感染力はアルファー株、デルタ株よりも僅かに高い
呼吸困難、血中の酸素濃度低下などの重度の肺症状が同じように出るはず。
しかし重症化はそれほどでもない。

9. 人獣共通感染症の可能性が高い
コウモリ、ハクビシン、タヌキ、鱗甲目のそれぞれのACE2と結合して細胞侵入ができた。

人獣共通感染症とはちょっと嫌な感じの情報です。情報の一つ一つに過剰反応をしていたずらに怖がらないで下さい。 頭の片隅にオミクロンは人獣共通感染症の能力があるかもと留めるだけにして下さい。

                        *9)の項目は追加補足情報  2022年1月26日


以上9点が論文で言われている大きな点です。

これらの論文研究結果を見ると、
どう考えても重症化の増加が予想されますが、
なぜか重症化が少ない

重症化が少ないについて論文を探しても答えはありませんでした。


もっとシンプルにオミクロンの姿は

オミクロンは従来のコロナよりも狂暴になっている。
オミクロンに対する従来ワクチンの中和力値は85%減です。
重症化予防率は7.5%しか有効でない。

重症化の増加が予想されるますが、なぜかそれほどでもない
不思議です

重症化が少ない明確な理由は不明。探してもヒットしない。

ここに何か大きな事が隠れているようで気になります。
ちょっと気になることがあります、それも含めて継続して調べてみます。


参考文献

1)オミクロン変異体は、抗体を介した中和に対して非常に耐性があります:COVID-19パンデミックの制御への影響
The Omicron variant is highly resistant against antibody-mediated neutralization: Implications for control of the COVID-19 pandemic

Markus Hoffmann,1,2,7,∗ Nadine Krüger,1,7 Sebastian Schulz,3 Anne Cossmann,4 Cheila Rocha,1 Amy Kempf,1,2 Inga Nehlmeier,1 Luise Graichen,1,2 Anna-Sophie Moldenhauer,1 Martin S. Winkler,5 Martin Lier,5 Alexandra Dopfer-Jablonka,4,6 Hans-Martin Jäck,3,7 Georg M.N. Behrens,4,6,7 and Stefan Pöhlmann1,2,7,8,∗∗

Cell. 2021 Dec 24
doi: 10.1016/j.cell.2021.12.032 [Epub ahead of print]
PMCID: PMC8702401
PMID: 35026151

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC8702401/


2)SARS-CoV-2オミクロン変異体のRBDの変異は、ヒトACE2受容体へのより強い結合をもたらします
Mutations on RBD of SARS-CoV-2 Omicron variant result in stronger binding to human ACE2 receptor

Cecylia S. Lupala, Yongjin Ye, Hong Chen, Xiao-Dong Su, Haiguang Liu
Biochem Biophys Res Commun. 2022 Jan 29; 590: 34–41. Published online 2021 Dec 24. doi: 10.1016/j.bbrc.2021.12.079
PMCID: PMC8702632

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC8702632/


3)ACE2の調節された膜内タンパク質分解:COVID-19病因に寄与する潜在的なメカニズム?
Regulated Intramembrane Proteolysis of ACE2: A Potential Mechanism Contributing to COVID-19 Pathogenesis?

Sandra M. Gonzalez, 1 Abu Bakar Siddik, 1 , 2 and Ruey-Chyi Su 1 , 2 , *

Front Immunol. 2021; 12: 612807.
Published online 2021 Jun 7. doi: 10.3389/fimmu.2021.612807
PMCID: PMC8215698
PMID: 34163462

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC8215698/



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