最新の海外論文を読み解いて、オミクロンをシンプルに説明します。
シンプルに言うとオミクロンは従来のコロナよりも狂暴になっています。
オミクロンに対する従来ワクチンの中和力値は85%減です。
重症化予防率は7.5%しか有効でない。
重症化の増加が予想されますが、なぜかそれほどでもない
重症化が少ない明確な理由は不明。
オミクロンの研究で解ったこと *1)、2)
1. オミクロンでは従来株比べてACE2との結合が強くなった
2.ACE2との結合が強くなったので感染力が高まった。
3.感染するとACE2の喪失率が高まり血流低下が増えて重症化が予想される。
しかし重症化はそうでもない。
4. ACE2との結合がないと感染しない。
必ずACE2が必要です。
5.従来のコロナワクチンが作る中和抗体ではオミクロンを十分に中和できない。
中和力値が従来の85%減になっている。 激減して効き目はほとんどない。
6.従来のコロナワクチンの重症化予防率は
オミクロンではたった7.5%、
デルタは90%以上
7.オミクロンのスパイクタンパクには30を超える変異があります。激変だと言われている。特に感染で重要なスパイクの先端部分のRBDには15の変異がある。
このスパイクの形状が変わったことにより十分に中和できなくなった。
8.肺への感染力はアルファー株、デルタ株よりも僅かに高い
呼吸困難、血中の酸素濃度低下などの重度の肺症状が同じように出るはず。
しかし重症化はそれほどでもない。
9. 人獣共通感染症の可能性が高い
コウモリ、ハクビシン、タヌキ、鱗甲目のそれぞれのACE2と結合して細胞侵入ができた。
人獣共通感染症とはちょっと嫌な感じの情報です。情報の一つ一つに過剰反応をしていたずらに怖がらないで下さい。 頭の片隅にオミクロンは人獣共通感染症の能力があるかもと留めるだけにして下さい。
*9)の項目は追加補足情報 2022年1月26日
以上9点が論文で言われている大きな点です。
これらの論文研究結果を見ると、
どう考えても重症化の増加が予想されますが、
なぜか重症化が少ない。
重症化が少ないについて論文を探しても答えはありませんでした。
もっとシンプルにオミクロンの姿は
オミクロンは従来のコロナよりも狂暴になっている。
オミクロンに対する従来ワクチンの中和力値は85%減です。
重症化予防率は7.5%しか有効でない。
重症化の増加が予想されるますが、なぜかそれほどでもない
不思議です
重症化が少ない明確な理由は不明。探してもヒットしない。
ここに何か大きな事が隠れているようで気になります。
ちょっと気になることがあります、それも含めて継続して調べてみます。
参考文献
1)オミクロン変異体は、抗体を介した中和に対して非常に耐性があります:COVID-19パンデミックの制御への影響
The Omicron variant is highly resistant against antibody-mediated neutralization: Implications for control of the COVID-19 pandemic
Markus Hoffmann,1,2,7,∗ Nadine Krüger,1,7 Sebastian Schulz,3 Anne Cossmann,4 Cheila Rocha,1 Amy Kempf,1,2 Inga Nehlmeier,1 Luise Graichen,1,2 Anna-Sophie Moldenhauer,1 Martin S. Winkler,5 Martin Lier,5 Alexandra Dopfer-Jablonka,4,6 Hans-Martin Jäck,3,7 Georg M.N. Behrens,4,6,7 and Stefan Pöhlmann1,2,7,8,∗∗
Cell. 2021 Dec 24
doi: 10.1016/j.cell.2021.12.032 [Epub ahead of print]
PMCID: PMC8702401
PMID: 35026151
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC8702401/
2)SARS-CoV-2オミクロン変異体のRBDの変異は、ヒトACE2受容体へのより強い結合をもたらします
Mutations on RBD of SARS-CoV-2 Omicron variant result in stronger binding to human ACE2 receptor
Mutations on RBD of SARS-CoV-2 Omicron variant result in stronger binding to human ACE2 receptor
Cecylia S. Lupala, Yongjin Ye, Hong Chen, Xiao-Dong Su, Haiguang Liu
Biochem Biophys Res Commun. 2022 Jan 29; 590: 34–41. Published online 2021 Dec 24. doi: 10.1016/j.bbrc.2021.12.079
PMCID: PMC8702632
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC8702632/
Biochem Biophys Res Commun. 2022 Jan 29; 590: 34–41. Published online 2021 Dec 24. doi: 10.1016/j.bbrc.2021.12.079
PMCID: PMC8702632
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC8702632/
3)ACE2の調節された膜内タンパク質分解:COVID-19病因に寄与する潜在的なメカニズム?
Regulated Intramembrane Proteolysis of ACE2: A Potential Mechanism Contributing to COVID-19 Pathogenesis?
Sandra M. Gonzalez, 1 Abu Bakar Siddik, 1 , 2 and Ruey-Chyi Su 1 , 2 , *
Front Immunol. 2021; 12: 612807.
Published online 2021 Jun 7. doi: 10.3389/fimmu.2021.612807
PMCID: PMC8215698
PMID: 34163462
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC8215698/
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2 件のコメント:
こんばんは。
twittreいつも興味深く見てます。
で、コロナ関連の海外論文を読み解くなんてすごいです。
ところで、最近、YouTubeやTwitterで「オミクロンは上気道で増殖する特徴がある」との情報を散見することが多く、
>8.肺への感染力はアルファー株、デルタ株よりも僅かに高い
については、上気道で増殖するが、もし肺まで行った場合は重症化する可能性が高い、
という理解になるのではないでしょうか?
なので、全体状況としては上気道で増殖するので症状が咳や熱にとどまり、肺の炎症にまで至らない、結局重症化するケースが非常に少ないうことではないかなと、考えている今日この頃です。
いつも読んで頂いてありがとうございます。
またコメントに気づかなく返事が遅れて失礼しました。
★オミクロンはACE2受容体と強く結合します。
それとACE2受容体がないと人体の細胞に侵入ができないことが研究で解っています。
★最初に鼻の奥と喉でオミクロンが付着してそこで増殖して
鼻の奥と喉がオミクロンだらけになります。
★それが落ちて来て気管支(上気道)に到着します。
気管支はACE2は体の中で多い場所と言われています。
オミクロンがACE2受容体と強く結合して気管支の細胞に侵入するので
咳症状が出ていると考えています。
★気管支までオミクロンが到達したなら、その先にある肺の末端細胞(血液中の酸素と二酸化炭素の交換をするところ)まで到達することも十分に考えられます。
すると肺の末端細胞が壊れて肺の炎症が起きる重症化が予想されます。
しかしその重症化はそれほどと報告されています。
●私自身その理由が良く解りません。
●しかし可能性としての私見です、
★肺の重症化を引き起こすのは3つの説が考えられます。
1.オミクロンが肺で過剰増殖して、結果として肺の末端細胞が死んだという説と
2.過剰免疫反応のサイトカインで作られているという説があります。
自己免疫が過剰反応を起こして肺の末端細胞を殺してしまっています。
3.オミクロンには従来ワクチンがほとんと効きません。
それを補う為に自己免疫力(T細胞)が肺で頑張って戦ってくれている説。
1の説は違う気がします。肺ではオミクロンは過剰増殖していないようです。
2の説であれば、
a)重症化が少ない理由は集団として自己免疫力が低下している為です。
b)あるいは上気道で過剰なサイトカイン反応がでて肺のサイトカイン反応が抑制されている。
質問さんの考えに近いです。
例を挙げると全兵力が上気道に割り振られて、肺には兵隊を派遣できない。 それで肺で過剰免疫反応がでない。
3の説であれば集団の自己免疫力が上がっています。
私はどちらかと言えば、集団として自己免疫力が低下していることを心配しています。
★「悲観的に準備して、楽観的に対処する」の精神で出来る範囲でいろいろとウォッチしています。
以上 です。
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