中国製の2万ドル(200万円)のMRIにはやられました。*1) 本当に私の想定外のことでした。
しかし私にとっては追い風になる好ましいことです。
そして中国製の2万ドルMRIが世の中を大きく変えていくに違いないと予感しています。
それによって引き起こされる変化の部分は次回のブログで紹介予定です。 今回は中国製の200万円のMRIに直接的に関わる内容を紹介します。
GEの3億円のMRIと中国製の200万円のMRI
GEの高磁界の3.0TのMRIが300万ドル(3億円)です。 今の医療現場に多いのはその半分の磁界の1.5TのMRIが主流です。 1.5TのMRIであっても導入コストは1億円は超えるはずです。
それに対して中国製(0.055T)は2万ドル(200万円)です。
もう笑ってしますほどの激安です。
中国製の200万円MRIが大衆化を作る
魅力的で欲しい物があります。でも高くて買えなかった。 そんな物が容易に、あるいはちょっと無理すれば手に入る値段まで下がる。 すると爆発的なブームがおきます。
例えば、昔の3種の神器(カラーTV,洗濯機、冷蔵庫)、マイカー、マイホーム、インターネットなどです。
中国製の200万円のMRIが正にそれです。 今までは億円の値段だったのが、コンパクトカー並みにの値段で手に入る。
爆発的なブームが起きます。 広く使われることで新しい文化が生まれます。
ここまで書いて来てふと気が付きました。 本当はこんな記事を書いている場合ではありません、もう何かをやるしかありません。
今後起こることを簡単に説明します。
MRIの撮影法の国際特許が切れました。 その撮影法が広く使われます。そしてうつ病と統合失調症は扁桃体の傷であることが判明し始めます。
メンタル疾患もMRIの画像診断の需要が高まります。すると中国製200万円のMRIならコンパクトカー並みの価格で買えます。 世界中のメンタルクリニックで大量のMRIの導入されるようになります。
画像診断はAIと相性がいいので、コンピューター診断、遠隔診断も進んでいくと考えまれます。
広い意味で低価格によりいろいろな所で淘汰が進みます。
中国製の200万円MRIの紹介
200万円のMRIのコンセプトは永久磁石ベース、低コスト、低電力、シールドフリーです。
以上がハード面です。
ソフト面では、撮影時の背景雑音を消す為に深層学習主導のEMIキャンセル手法を開発されました。
Fig.1 2万ドルのMRI、磁界力0.055T
シールド不用でコンパクト
PMID: 34907181より抜粋
CC BY 4.0
画像比較:200万円のMRI(低磁界0.055T)と
3億円の最高級MRI(高磁界3.0T)
左下の白い部分が脳腫瘍です。DWI図ではっきり映っています。 これくらいの大きさの腫瘍であれば、200万円MRIと3億円MRIとの差がありません。
しかし脳の扁桃体に小さな傷の場合は不明です。 今後の課題です。
Fig.2 画像比較: 2万ドル(200万円)のMRI(低磁界0.055T)と 300万ドル(3億円)の最高級MRI(高磁界3.0T) 左下の白い部分が脳腫瘍です。DWI図ではっきり映っています。 PMID: 34907181より抜粋 CC BY 4.0 |
参考文献
1) 低コストでシールドのない超低磁場脳MRIスキャナー
A low-cost and shielding-free ultra-low-field brain MRI scanner
Yilong Liu, Alex T. L. Leong, Yujiao Zhao, Linfang Xiao, Henry K. F. Mak, Anderson Chun On Tsang, Gary K. K. Lau, Gilberto K. K. Leung & Ed X. Wu
PMID: 34907181 DOI: 10.1038/s41467-021-27317-1
Nature Communications volume 12, Article number: 7238 (2021)
公開: 2021年12月14日
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