第1回 老化研究者と家族が飲むサプリメント
( 老化は病気、将来は治せるようになる )

2021年2月6日

サプリメント 細胞・遺伝子 書籍 老化・若返り

t f B! P L

老化の予防のサプリメントに関する記事です。

 

老化の研究で世界的に有名なハーバード大学医学大学院の教授、デイビット・A・シンクレア先生とその家族が飲んでいるサプリメントに関する情報です。 

彼らが何をどれだけの量を飲んでいるか、書籍の「ライフスパン」から必要な情報を抜き出しました。 

またそれを日本で入手する場合の入手性、コスト、効果などを独自に調べました。 
 
 

オンライン同窓会と若返り

学校を卒業して初めて同窓会に参加しました。 40年数年ぶりに同級生に会いました。 コロナの影響でオンライン同窓会となり、遠くに住む私も参加できました。 

私の同級生に対する記憶は当時の若いままでしたが、PCの画面に映る姿を見ると、「お互いに年を取ったな」と老化を実感しました。

みんなが等しく年を取り実年齢は平等ですが、外見が若く見えたり、反対に老けて見えたりして、若さに差があることもよく分かりました。 

オンライン同窓会の中で、若返りに関する本を簡単に紹介しました。 話題の「ライフスパン」*1)です。 更に詳しい内容の説明を求められましたが、時間制限のあるオンライン同窓会なので、それはできませんでした。 

オンライン同窓会後の総括メールの中でも、もう少し詳しい説明と具体的な若返りの手法のまとめを頼まれました。 

老化防止、アンチエージング、若返りは、重要な関心事項であることが分かりました。
同窓生から頼まれた事を、メールではなくブログの記事にして、同級生と興味を持つ人々に向けて広く発信することにしました。

ブログの初回のテーマとして相応しいです。 正に時代性があり、新しい大きな波を感じます。 

サプリメントのイメージ写真、老化とは関係ありません。
サプリメントのイメージ写真、老化は関係ありません。
Steve Buissinne によるPixabayからの画像

研究者とその家族が飲んでいる若返りのサプリメント

「老いなき世界」と最新の老化医学を紹介する本が「ライフスパン」です。 著者は、デイビット・A・シンクレア先生といい、ハーバード大学医学大学院の教授で、老化の原因と老化を遅らせる(広い意味での若返り)の方法に関する研究で知られる著名人です。

「ライフスパン」の記述で分かったことですが、デイビット・A・シンクレア先生本人とその研究チームの面々、更に彼らの家族も、「若返りのサプリメント」を習慣的に飲んでいます。 その研究成果で判明した成分の入ったサプリメントです。

また、デイビット・A・シンクレア先生が察するに、「老化医学に関わる研究者の3分の1は、何らかの老化を改善するサプリメントを飲んでいる」との記述もあります。 

研究者だけでなく、その大切な家族も飲んでいるとなると、かなりの信憑性があると私は判断します。 

若返りのサプリメントの効果がすごい

その効果がすごいことになっていました。 著者のデイビット・A・シンクレア先生のお父さんは、妻を亡くし、年齢は70代半ば、境界型糖尿病、視力と聴力の低下、疲れやすい、同じ話を繰り返す、不機嫌と多くの高齢者にある状態でした。 

それが若返りのサプリを飲み始めてから、モリモリ元気になり、身体の痛みや疲れを感じなくなり、凄く活動的になりました。 同じ年代の人よりも、歩く速度が明らかに早くなっています。 体力、気力も充実して急流イカダ下りを楽しめるまでになっています。 新たな仕事もはじめました。

一番驚いたには、医療エビデンスではまだ証明されてはいませんが、研究室の留学生のお母さんの閉経していた生理が戻った、2017年の秋のことです。 デイビット・A・シンクレア先生は、その後数人の女性の生理の復活を知り、更に若返りの成分を投与することで、老馬の生殖機能の回復にも成功したと、書籍で述べられています。 


若返りのサプリメントの詳細

著者デイビット・A・シンクレア先生が飲んでいる老化予防(若返り)に直接作用するサプリメントは3つです。
毎日、以下の量を飲んでいます。

NMN         1000㎎
メトホルミン     1g
レスベラトロール   1g        


NMNとサーチュイン

サーチュインは身体の細胞の寿命を延ばす酵素です。 そのサーチュインの燃料は、NADです。 サプリメントNMNはNADの量を増やし、結果として、サーチュイン量を増やし、身体の細胞の寿命を延ばします。

NMNは、1990年代に、日本人研究者の今井 眞一郎先生*2) とレニー・ガレンティー先生により発見されました。 

今井 眞一郎先生の実験では、マウスに対して投与量は1日あたり100mg/kgと、300mg/kgの2つの用量です。マウスの夜間の活動量は、100mg/kgが勝っています。

体重60㎏の人体に換算すると6g/60㎏と18g/60㎏となり、かなりの量になります。  著者のデイビット・A・シンクレア先生が飲んでいる1日1g=1000㎎と比較しても100mg/kgでは6倍です。

今井 眞一郎先生の実験では、水に溶かして与えたので、サプリメントと飲む量がNMN 1gでも妥当のような気もします。
 
またマウスが水を飲んだ後、血中のNMN濃度が5~10分で最高値に達して15分経つと血中から消えてしまいます。  吸収が早いことが分かります。

入手性

NMNはアマゾンでも購入できます。(アマゾンとは利害関係はありません) 30カプセルで3000円から5000円くらいです。 1000㎎を摂取するには8カプセルを飲む必要があるので、4日分です。 一日800円で1月で24000円以上になります。 

ちょっと高いかなです。それで、私はまだ飲めていません。 


Amazonの評価コメント

高価なサプリメントなので、事前に効果を見極めたいと思う気持ちは皆同じです。
そこで頼りとなるので、アマゾンの評価コメントです。

注意する点は、1日に1カプセルを飲む程度では焼石の水です。 効果は余り期待できません、気休め程度です。 購入を判断する上での参考のコメントになりません。 

著者のデイビット・A・シンクレア先生が飲んでいるのは、1日に1g=1000㎎です。 それで最低でも1日に4カプセル(500㎎)以上を飲んだ評価のコメントが参考となります。 

私の方針

しかし、いずれ予算を確保出来たら、体験的に飲んでみるつもりです。 ちょっと先に成りそうです。

入手性の更新  

2021年2月6日に記事を書いて約2年弱経過しています。 
NMNの入手性がよくなっています。 2年前の5分1のコストになっています。

試しに2袋購入して見ました。
Amazonのコメントの高評価が並んでいます。 ちょっとだけ期待します。

                                                                更新 2022年11月29日

入手性の更新の更新  

本当にNMNが入っているか心配です。2022年の12月から試しています。

今は2023年の1月27日です。 もともと元気だったのでNMNを飲んだ変化はまだ実感できていません。別のメーカーのNMNに切り替えて試して見ています。
更に別メーカーに切り替えて試して見る積りです。

                                                                更新 2023年1月27日


メトホルミン(糖尿病治療薬)とAMPK

メトホルミンは、糖尿病の治療薬として長きに渡り使われています。 新たな効果として老化防御機能全体を始動させる薬として注目されています。

フランスで多くみられるのガレガソウの成分のジメチル・ビグアニドから効果が見つかり、1957年に論文発表されました。 今は恐らく化学合成で薬は作られていると考えています。 私見ですが、ちょっと漢方薬のイメージを持ってしましました。 

メトホルミンは、AMPK *3) という酵素を介して、細胞の寿命を延ばすNADの量を増やします。
AMPKは、低血糖や低酸素状態、虚血、熱ショックなどの、細胞への生体エネルギーATPの供給を枯渇させるストレスに応答して活性化されます。

糖尿病の治療薬としての副作用

重大な副作用として、乳酸アシドーシス、低血糖、肝機能障害、黄疸。

入手性

厚生労働症の令和2年12月11日適用の薬価は*4) 、ジェネリックで1錠500㎎が10.1円です。 健康保険と使って3割負担では、1錠3円になります。 1日1gを飲むとなると2錠が必要になり、1日6円、1月では180円です。  

注意すべきことは、同じ薬価10.1円で1錠250㎎があります。 もし病院で薬を貰う場合には、1錠500㎎のジェネリックでお願いして下さい。
 
この薬価に、薬局で「調剤基本料」の300円から500円の3割負担分が加算されます。
それを含めての1月で500円以内になると考えています。 いけそうです。

私の方針

NMNは高価ですが、まずはメトホルミンから始めるのが現実的ではと考えています。
メトホルミンは何とか入手して、体験的に飲んでみるつもりです。


レスベラトロールと赤ワイン

レベラトロールは赤ワインに含まれている成分です。 身体の細胞の寿命を延ばす酵素、サーチュインを活性化します。 カロリー制限をすれば、寿命が延びることは、多くの研究で明確に分かっていますが、レベラトロールを飲めば、カロリー制限と同じ効果が、空腹なしに得られます。

入手性

やはりアマゾンで1500円くらいから売っていますが、レベラトロールの含有量が6粒で10㎎
まったく足りません。 
高含有トランスレベラトロール含有をうたっている9000円ちょっと(120粒入り)の高額商品でも1粒で12.5㎎です。 

1粒で12.5㎎では、著者のデイビット・A・シンクレア先生が飲んでいる1日1g=1000㎎に遠く及びません。 1日80粒が必要なことになります。 

サプリメントとしてのレベラトロールの解説が、日本薬学学会、環境・衛生部会の資料*4)にあります。 2009年の論文*6)で、

レスベラトロールは、長寿遺伝子を直接活性化しないこと判明した。

アマゾンで販売されている海外のサプリメント製品には、1カプセル中のレスベラトロールの含有量が500 mg以上があります。 同じく日本薬学学会の資料*5) でも高濃度スベラトロールのサプリメントについて解説があります。

その原料はブドウではなく、イタドリという植物から抽出されたものも流通しています。レスベラトロールの純度によっては緩下作用などの生薬の効果が発現が指摘されています。

反対に日本生化学会の「 レスベラトロール研究の進展」中田 理恵子先生,井上 裕康先生
奈良女子大学研究院生活環境科学系食物栄養学領域 発行日:2018年8月25日 *7) では、

レスベラトロールは,2014年の論文*)で哺乳類においてSirtuinファミリーのSIRT1を活性化し寿命を延長することが報告された。*8)
1940年に高岡道夫博士(北海道帝国大学)がバイケイソウの根から分離精製,構造決定し,レスベラトロールと命名した日本発の物質である.その後1963年には,生薬の虎杖根(イタドリの根)から分離・精製されている。

私の方針

日本薬学学会と日本生化学会の資料とは若干相反する主張のような気がします。 日本薬学学会は薬を販売することで利益を受けている人が多く所属している団体と考えると、

私は、著者のデイビット・A・シンクレアの考えや結果をサポートしている日本生化学会の内容を支持します。 

しかし市場の入手できる レスベラトロールのサプリは高いので、今回は見送ります。


効果がでるまで期間

著者のデイビット・A・シンクレアのお父さんは、NMNとメトホルミンを飲んで、明らかな効果を感じたのは6ヶ月後です。  疲れ難くなった、同じ年代の人と並んで歩いても、スピードの違いを感じると言われています。

若返りのサプリメントを6ヶ月間飲み続ける必要があるようです。


次回のブログの記事



老化の仕組みを、簡単に、分かり易く説明するつもりです。


参考文献

●1) 書籍 「ライフスパン」 著者 デビット・A・シンクレア 東洋経済新報社

●2) 今井 眞一郎先生 
若返り薬「NMN」が、超高齢化の日本を救う
日経ビジネス  2016年10月28日
https://business.nikkei.com/atcl/interview/15/238739/102700215/

●3) AMP
https://www.cellsignal.jp/pathways/ampk-signaling-pathway

●4) 厚生労働省 薬価基準収載品目リスト
薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和2年12月11日適用)https://www.mhlw.go.jp/topics/2020/04/tp20200401-01.html

Page-66  : メトホルミンの薬価
https://www.mhlw.go.jp/topics/2020/04/dl/tp20201211-01_01.pdf

●5) 日本薬学学会、環境・衛生部会
健康食品として流通しているレスベラトロールについて
徳島文理大学薬学部 門田 佳人
http://bukai.pharm.or.jp/bukai_kanei/topics/topics35.html

●6) Beher D et al., Resveratrol is not a direct activator of SIRT1 enzyme activity. Chem Biol Drug Des, 74, 619-624. (2009)

●7) レスベラトロール研究の進展
奈良女子大学研究院生活環境科学系食物栄養学領域 
https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2018.900529/data/index.html

●8) Sinclai, D.A. & Guarente, L. (2014) Small-molecule allosteric activators of sirtuins. Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol., 54, 363–380.


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