その理論の運動療法がTパンチキック療法です。Tパンチキック療法は脳内のトラウマのスイッチを切れる事を狙いにしています。
Tパンチキック療法の狙い
Tパンチキック療法はトラウマの記憶を通常の危機警戒の記憶に書き換えることを期待しています。トラウマの記憶は右脳の中心として記憶されています。 それは強く焼き付いたような記憶で、簡単に短期間で消し去ることができません。
それで現実的な治療法として出来そうなことは、トラウマ記憶の有無のスイッチを切ることです。それなら比較的に短期間でできるかもしれません。
トラウマの有無判定スイッチをOFFに
そのトラウマの記憶を直接書き換える事をしないで、トラウマの記憶があるかどうかの判定スイッチをONからOFFにすることを目的としています。スイッチをONからOFFなら情報量で1ビットなので、たかが知れています。 それなら出来そうです。
Fig.1 ON,OFF スイッチのイラスト みふねたかし氏の無料イラストより |
通常の危機警戒の記憶とトラウマの記憶の違い
通常の危機警戒の記憶とトラウマの記憶はどちらも危機が近づいている時に予測動作に使われる記憶です。 危機から自分を守る行動に使われます。
記憶を使う事で予測動作を早める動作がショートカットです。それがフラッシュバックになります。
通常の危機警戒の記憶とトラウマの記憶はどちらも程度の差がありますが、同じ種類の記憶と言えます。
通常の危機警戒の記憶
予測動作を自分でコントロールできます。
身体症状が残りません。
トラウマの記憶
予測動作は自分でのコントロールができません。
過剰な身体症状を作ります。
身体症状が残ります。
トラウマの記憶を書き換えるとは
過剰な反応を起こすトラウマの記憶は、脳の情動をコントロールする部分と密接に繋がっています。 その部分の繋がりを書き換えてというより弱めると、通常の危機警戒の記憶になるだろうと仮定しています。
上の文章中で繋がりと書きましたが、デジタル的にはON,OFFのスイッチと言えますが、脳内でアナログ的なスイッチだと思います。 それで弱めるという表現をしています。
話をシンプルにする為にここからはデジタル的なON,OFFのスイッチで考えていきます。
数式で考える
下の式で分かるように、トラウマの記憶とは「通常の危機管理の記憶」に「情動の記憶」が加わったものです。
トラウマの記憶から「情動の記憶」の部分がなくなれば、残るのは通常の危機管理の記憶」となります。
トラウマの記憶 =
「通常の危機管理の記憶」+「情動の記憶」
コンピュータのプログラムで考える
脳を一種のコンピューターとして考えます。
トラウマの記憶をTパンチキック療法で書き換えると言うことは、トラウマの記憶を直接書き換えのではなく、情動の記憶があるかどうかのスイッチをOFFにします。
危機の警戒の制御の流れを書くと、
1.周囲の状況の情報を取得します。
2.最初に過去の通常の危機の記憶にアクセスします。
3.更に一歩進んで過去の危機の記憶が情動に関係しているかどうかを判断します。
プログラミンの世界ではスイッチのON、OFFで判断します。
4.実際の「情動の記憶」にアクセスして一致するか判定します。
5. もし今の周期の状況が過去のトラウマの記憶と一致したら、緊急予測行動を行います。
Tパンチキック療法では上記の3番の部分のスイッチをOFFにすることを目的としています。
情動とは本能的な生存に関わる恐怖
情動とは本能的な生存に関わる恐怖などです。
その恐怖を安全であると身体行動で脳に学習さます。 恐怖部分との接続を弱めます。
短期的には
Tパンチキック療法は、心拍数を短時間で高める激しい運動をすることで、命の危機からの逃避を模擬しています。 そしてその運動の後が安全で命があったと脳に学習させます。
その運動が繰り返さて、毎回安全であると脳が学習すると、敢えて、わざわざ、情動の記憶にアクセスする必要がない事も脳は学習します。
情動の有無のスイッチがOFFになることが期待できます。
これがトラウマの記憶の書き換えになります。
長期的には
脳内の記憶のスペースは有限で限りがあります。 生命維持の中枢の部分です。
そこに直接生命の危機が関係のない、重要でない記憶にスペースを割けるほど脳内に余裕はありません。
毎回安全であると脳が学習すると、長期的にはトラウマの記憶自体も消えて、空きスペースになって他の重要な記憶に取って変わられると予想しています。
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