ストレスが脳の傷を作り、それがうつ病を作りだします。
ストレスと脳の傷の関係を最新の脳科学の論文の情報をつかい分かり易く説明します。
脳の傷の発生メカニズム
元東北大学教授の松澤大樹先生は、脳のMRIイメージ図を分析して、うつ病は脳の傷と言われました。 1990年の前ごろからです。 当時はうつ病の脳の傷の発生メカニズムは分かっておりません。 それから30年が経過しましたが、その詳細までは未だに分かっていません。
しかしある程度判明していることがあります。 それはストレスにより脳の扁桃体に現れる現象です。 それらに関係するストレス、扁桃体、コルチゾール、受容体のキーワードを説明します。
扁桃体
扁桃体は海馬の尖端に位置するアーモンドような形です。
それは連続するストレスにより脳の扁桃体が過剰興奮します。 これにより扁桃体が肥大化します。 扁桃体は感覚と感情を束ねて記憶に作用をさせるところです。 それで知覚と感情が過敏になります。
うつ病ではその扁桃体に傷できます。
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脳の扁桃体の形はアーモンドと似ています |
コルチゾール
ストレスから身体を守る為に、脳内では抗ストレスホルモンが作り出されます。 それはコルチゾールと言います。 短時間のコルチゾールの分泌は身体を保護します。
長時間のコルチゾール分泌が続く場合は、連続ストレスが続く場合です。 そうなるとコルチゾールが今度は身体に害を与え始めます。
海馬周囲(扁桃体も入ると考えています)の神経細胞を委縮させて、細胞死を作りだすことが分かっています。 これが脳の傷です。*1),2),3),4)
扁桃体に傷ができるとうつ病を引き起こすます。
受容体は家電製品のスイッチ
受容体を例えると細胞のスイッチのようなものです。 家庭にあるいろいろな家電製品のスイッチと似ています。 家電製品のスイッチもいろいろあります、スマホのスイッチだったり、電気ボットのスイッチだったり、TVのスイッチだったりします。
同じように細胞にもいろいろなスイッチがあります。 スイッチがついている場所にも違いがあります。 細胞の表面についているスイッチや、細胞の内部にあるスイッチもあります。
ストレスに対しては、細胞内にコルチゾールのスイッチがあります。 コルチゾールの受容体です。
扁桃体のコルチゾール受容体
海馬と扁桃体の細胞内にはコルチゾールの受容体が特に多く分泌しています。
コルチゾールは脂溶性のホルモンです。 細胞の外側の膜も脂溶性です。 成分が水と油ではお互いに反発し合います。 しかしコルチゾールは細胞の膜と成分が同じ油です。 それでコルチゾールは細胞内の入りこむことができます。
コルチゾールが海馬や扁桃体の細胞内に入り込みます。*5)長時間の付着により細胞死を作りだすと考えています。
扁桃体の傷のメカニズム(私見)
その細胞死のメカニズムは私見ですが(まったくの思い付きですが、)、長時間の細胞内滞留があると、細胞内にある塩素イオン(Clー)とコルチゾールの細胞内での分解時に生まれるOH基との結合による活性酸素が生まれます。
コロナウイルスの消毒で有名になった次亜塩ナトリウムと同じ塩素の化合物なので、細胞を殺します。
それが海馬や扁桃体の細胞を壊して穴をあけるのではと考えています。
なおGABAやベンゾジアゼピンは細胞外から細胞内に塩素イオンの注入をします。 塩素イオン(Clー)の長期細胞内滞留も細胞死を作りだします。 その場合はコルチゾールに関係なく塩素イオン単独の作用となると考えています。
この部分は研究結果を見つけることができません、どうやら科学的に判明していない範囲のようです、それで自分で考えてみました。 無から有を作ったので、最新の説だと思っております。 もしかして時間を掛けて探せば、そのような学説があるかもしれませんが、そこまではできておりません。 精一杯やっていますが、一介の町の鍼灸師です。 ご理解をお願い致します。
この受容体のくだりについては、もう少し調べて、いずれ詳しい記事を書きたいと思っております。
コルチゾールが脳細胞を損傷する文献について
ストレスから身体を守るときに分泌されるコロチゾールというホルモンがあります。 ここ10年程の脳科学の論文内では、そのコロチゾールの過剰分泌で脳細胞が損傷することは既成事実として語られています。1)
九州大学の神庭 重信教授(2006年当時)の日薬理誌の記事によると、「強度の心理的ストレスが加わると,海馬神経細胞の 脱落あるいは萎縮をおこる」、これを最初に報告されたのは、田 亮介先生の2003年と平野羊嗣先生の2004年です。 *2),3),4)
コルチゾールとは
ストレスを受けると、身体を守るために抗ストレスホルモンがでます。 過剰なストレスの発生や、連続し途絶えないストレス下では、血中に過剰な抗ストレスホルモが分泌します。 主なものがコルチゾールです。*6)
コルチゾールの働きは、ヤクルト中央研究所の「健康用語の基礎知識 」では、
主な働きは、肝臓での糖の新生、筋肉でのたんぱく質代謝、脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進、抗炎症および免疫抑制などで、生体にとって必須のホルモンです。 例えば、その炎症を抑える働きから、ステロイド系炎症薬として治療にも広く使われています。
上記の説明で分かるように、コルチゾールはステロイドとして使われています。 ステロイドを皮膚のアトピー症状の治療に使うと、最初はすごく効いて炎症を抑えてくれますが、長期使用になるステロイドがアトピー症状を悪化させます。
脳内のコルチゾールでもおなじようなことが起こります。 過剰なコルチゾールが脳内に常に留まると、脳を傷つけ始めます。
まとめ
ストレスから身体を守る為に、脳内では抗ストレスホルモンのコルチゾールが作りだされます。 24時間途絶えることのないストレスが続くと、コルチゾールは脳神経を委縮させて、細胞死を作りだします。 これがうつ病の原因の脳の傷でです。
ストレスは脳の他にも身体の筋肉のコリ、血流低下と冷えを作りだします。 これもうつ病を悪化させ、回復を妨げる原因です。
1次ストレスから離れて休息をとり、身体の筋肉のコリを取るとうつ病は治ります。
次回のブルグのテーマ
ストレスは脳の扁桃体の傷を作ります。 その続きは、更にストレスは筋肉のコリもつくります。
それともう一つ
東洋医学の考え方と最新の脳科学をお互いに繋ぎ、科学的に治る理由を説明します。
参考文献
1) コルチゾールに長期間さらされると神経細胞が委縮する
脳科学辞典の内容の抜粋海馬は大脳辺縁系の一部で、記憶・学習能力に関わる脳部位である。海馬はストレスに対して非常に脆弱であるとされ、心理的・肉体的ストレスの負荷により長期間コルチゾールに曝露されると神経細胞の萎縮を引き起こす。
日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)128,3~7(2006)
神庭 重信 九州大学医学研究院 精神病態医学分野,教授.
強度の心理的ストレスが加わると,海馬神経細胞の
脱落あるいは萎縮が起こることが報告されている(3,4).
これらの変化はおそらく,HPA 系の過剰反応による
グルココルチコイドの上昇が一因であろうと推定され
ている.
3) 田 亮介 , 他 . 分子精神医学 . 2003;3:32-37.
4) 平野羊嗣 , 他 . 分子精神医学 . 2004;4:22-31.
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